「焼き物実践ガイド 陶器づくりますます上達」樋口わかなamazonのレビューよりタイトルから「陶芸の技法解説本」を想像するでしょうが、まったく違います。内容は「粘土」「釉薬」「化粧土」の組成、焼成時のプロセスの化学的解説。例えばマット釉にはどんな種類があり、どんな原料のどんな元素がどのような化学反応を起こしているのか・・・といったことが丁寧に解説されています。元素記号もたくさん出てきますが、説明は文系の頭にも実に分かりやすい！　中学生レベルというと言い過ぎかも知れませんが、高校レベルの知識で十分読みこなせます。盛り込まれた詳細な情報は、例えば焼成時の失敗の原因探りなどに生かせるでしょう。その意味では確かに「実践」的。失敗のたびにひもとく一冊になりそうです。釉薬については大西政太郎さんや野田耕一さんの本が評判ですが、「この効果はどのうな化学プロセスから生じるのか」という根本的な問いに答えてくれるのは私が知る限りこの１冊だけです。その意味では「解説本を分かりやすくしてくれる解説本」です。筆者による本はこの一冊のみ。内容にそぐわない、平凡なタイトルということもあって、完全に忘れ去れれた本になっていると思いますが、実にもったいない。類書がないだけに、釉薬づくりに取り組む人には、ぜったい「買い！」の一冊です。#樋口わかな #本 #BOOK #アート #エンタメ# #陶芸 #日本#伝統 #趣味 希少 # お宝 #価値 #骨董 #窯元 #色彩 #文化#古本 #